行動主義的ウイスキー生活ノススメ

情報だけを頼りにするのはもうやめよう。ウイスキーのある生活は、もっと右脳的であっていい。そしてもっと、身体的であるべきだ。あなたとボトルの幸福な出会いのために、新たなTryを提案したい 。

むねぞう は、ウイスキーイベントでアドバイザーやセミナーの講師を務めている「ウイスキーソムリエ」と言っても過言ではない吉村宗之氏がモデルとなっています。
※むねぞうの情報は、吉村氏の声です。



1990年ごろ、スコッチウイスキーの魅力に開眼、しだいに傾斜を深めていく。1998年、ウェブサイト「M's Bar」を開設、書きためていたシングルモルトのテイスティングノートを公開。2005年、ウイスキー専門誌「THE Whisky World」の発足メンバーとして参加、現在後継誌「WhiskyWorld」にてテイスティングコメントを連載中。
2011年からは、スコッチ文化研究所発行の会員誌「ウイスキー通信」にてコラムを連載。また昨今はウイスキーイベントでアドバイザーやセミナーの講師を務めるかたわら、ブログ「M'sWhisky Diary」の執筆にも勤しむ。 著書に、サイエンス・アイ新書「うまいウイスキーの科学」がある。


 シングルモルトファンのみなさんの中には、ブラインドテイスティングにご興味がある向きも少なくないことと思います。ブラインドで利いて、蒸留所名をずばり当てられたなら、それは本当に嬉しいものです。もしその結果が、日々の嗅覚・味覚のトレーニングの賜物だと自覚できるなら、その喜びには一方ならぬものがあるでしょう。ただし、自身の実力がどの程度なのかを知るには、尺度を測る物差しがないとなかなか難しいですよね。「酒トライ」のこのコーナーでは、プロのテイスターである筆者が毎号ブラインドクイズを出題いたします。自信のあるかたもないかたも、実力テストのつもりでぜひチャレンジしてみませんか?

 さて出題の前に、筆者が実践している、ブラインドテイスティングのちょっとしたコツを一つ伝授しましょう。まず最初は産出地域の見当をつける、ということです。アロマとフレーバーを一通り味わったら、いきなり蒸留所を当てようとしないで、とりあえず産地を予想してみるのがいいでしょう。その後徐々に地区を絞り、蒸留所の見当をつけるといった運びです。例えば、華やかで優しい風味を放つので、スペイサイドモルトだろうと判断したとします。そしてさらに深くテイスティングすると、熟した果実やアップルパイのようなニュアンスが感じられたら、キース地区の蒸留所かもと考えるわけです。となるとストラスアイラかグレンキース、あるいはオルトモアあたりかな?ということになります。

 シングルモルトは香り高いって聞くけれど、ブレンデッドウイスキーより風味が濃厚だっていうだけでしょ?とおっしゃるシングルモルトビギナーのあなた! いやいや、このお酒の魅力は、それだけではありませんよ。シングルモルトの魅力はたくさんありますが、その最たるもののひとつが「際立つ個性とその多様性」なのです。例えば本物の果実のようにフルーティなフレーバーだったり、まるで液体の煙のようにスモーキーな味わいだったりと、こんな極端なキャラクターのお酒は他にはちょっと見かけませんよね。シングルモルトは、そういった風味が複雑に絡み合い、各々の蒸留所のこだわりが、ウイスキーのキャラクターにダイナミックな個性を与えているのです。それゆえにシングルモルトどうしの飲み比べも楽しいし、香りを嗅いだり、口に含む直前のわくわく感はひとしおなのです。どうです?シングルモルトの飲み比べに興味が湧いてきたでしょ?


 シングルモルトの飲み比べは、もちろんバーでなら手軽にできます。ですが自宅で楽しみたい場合は、これまではフルボトルを購入しなければなりませんでした。自分の好みかどうかもわからないウイスキーを1本買うのは、なかなか勇気がいるもの。「酒トライ」では、何種類かを飲み比べたいが、それぞれをフルボトルで買うのはちょっと・・というユーザーの悩みにお応えし、ミニボトルをご用意させていただきました。少量なら手軽に購入できますし、飲み比べて気に入ったシングルモルトをあらためてフルボトルで購入することが可能です。とはいえ、どのシングルモルトを選べばいいかわからない・・というかたには、ディアジオのクラシックモルトシリーズのミニボトルセットはいかがでしょうか? クラガンモア(スペイサイド産)、ダルウィニー(ハイランド産)、オーバン(西ハイランド産)、グレンキンチー(ローランド産)、ラガヴーリン(アイラ産)、タリスカー(アイランズ産)という、 6つの地域の代表的な蒸留所のシングルモルトのセレクションです。ぜひあなた自身の「舌」で、好みのシングルモルト探してみてください。