ボルス コーレンヴィン6年

思い出のボトル

<第五回>

ボルス コーレンヴィン6年
 

新井 洋史

 

Bar 猫又屋
栃木県足利市家富町2222-2
☎ 0284-43-2678
営業時間:19:00~02:00(土~03:00)/日曜日、第3月曜日休み
http://www.hirohitoarai.jp/

 

思い出のボトル05

絵:佐藤英行 文と写真:いしかわあさこ




 2011年3月、「ボルス・アラウンド・ザ・ワールド」(※)のファイナルにアジア代表として出場するため、オランダ・アムステルダムへ飛んだ新井洋史さん。大会の選手が集うミーティングルームへ顔を出すと、テーブルの上に「ジュネヴァ」など数種類のボトルが並べられてあった。
 ジンの起源といわれるシックな黒いボトルのジュネヴァは、ライ麦、トウモロコシ、小麦を単式蒸溜器で3回蒸溜したスピリッツ。 ウォッカのように透明でありながら、ウイスキーのような風味をもつ。それをオーク樽で18か月以上熟成させた「バレルエイジド」という製品があるが、コーレンヴィン6年はその表記のとおり、さらに熟成させたものになる。草や土のようなフレーバーと、柔らかい甘さが広がる逸品だ。
 「香り、甘味、喉越しなどのバランスがいいんです。さらに熟成されたタイプもありますが、6年がベスト」
 オランダではこれをチューリップグラスに注ぎ、ストレートで飲むのが主流。通常のジュネヴァは冷やして飲むが、コーレンヴィンは常温がいい。チェイサーは、同じオランダ産のビール、ハイネケン。大会前に選手達は、ジュネヴァの研究室などいろいろなところに案内されるが、必ずジュネヴァが供される。朝から夜まで、連日皆で飲み続けた。
 あまりに飲み過ぎて、オランダではもうボトルを見たくないとまで思った。しかし、日本に帰ってきて飲んでみると、共に過ごし戦った友人と、あの日の感動を思い出す。新井さんはこの大会で、世界2位を手にした。日本人初の快挙だった。


※リキュールメーカーとして知られる、ボルス社主催のカクテルコンペティション。オランダ・アムステルダムにボルスの本社がある。

 

 

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