タンカレー・ジン ティンキャップ

思い出のボトル

<第一回>

タンカレー・ジン
ティンキャップ

保志 雄一

 

BAR 保志(バー・ホシ)
東京都中央区銀座6-3-7 AOKI TOWER 8F
☎ 03-3573-8887
営業時間:18:00 ~ 03:00(土・祝~ 01:00)/日曜休み
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思い出のボトル01

絵:佐藤英行 文と写真:いしかわあさこ




 イギリスはエセックス州のバジルドン。
 ロンドンから東へ40キロほど離れた場所で、レインドンという町がある。以前から新しいマティーニを開発したいと考えていた保志雄一さんは、その町の工場へ向かった。
そこは、プレミアムジン「タンカレー」をつくる場所。1999年1月にタンカレーのブランドアンバサダーに就任したが、もともとマティーニのベースはタンカレーと決めていた。
 4回蒸留による、洗練されたキレのある味わい。これをどのように活かして新しいマティーニに仕上げるか…。工場へ向かう前に、ニューヨークの「メトロポリタン・ホテル」やロンドンの「デュークス・ホテル」といったホテルのバーでマティーニを飲み、日本ではまだ珍しかったフルーツ・マティーニに衝撃を受けていた。
 工場ではその歴史や製法を学び、「タンカレーのボトルデザインは消火栓をモチーフにしたものなのか?」という当時の疑問も、実際はカクテルシェーカーだったと聞いて納得した。そして熱心に学ぶ保志さんに、蒸留所からプレゼントされたのが、タンカレーのティンキャップだった。年代は定かではないが、ティンキャップということは1960年代より前の希少な逸品。まだ封は切られていない。
 帰国後には、フルーツ・マティーニをはじめ107種類ものマティーニを完成させ、2000年に『THE PERFECT "Tanqueray"MARTINI BOOK』※を発行。その情熱はマティーニだけに留まらず、ボストンシェーカーやバーズネスト、ペストルの開発にまで波及した。


※ジャーディン・ワインズ・アンド・スピリッツ(現MHD ディアジオ・モエ・へネシー)から発行。非売品。

 

 

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