キングスバーンズ


スコットランドのボトラー「ウィームス」が立ち上げた新蒸留所


 キングスバーンズ蒸留所のオーナーであるウィームス家はエジンバラ近郊にあるウィームス城の城主で、長きに渡ってワイン商として活動してきました600年以上続くエジンバラの名家です。ウィームス家は、19世紀にはジョンヘイグが同家の所有地に蒸留所を建てたことから、ウイスキーとの関わりが始まり、今日においても所有する畑で作られた大麦が多くの蒸留所で使用されています。
 インディペンデントボトラーとして正式にスタートしたのは2005年、ウイリアム・ウィームス氏が会社を設立し、シングルカスクを発売したところから始まりました。同社のシングルカスクシリーズのユニークなところは、テイストの特徴を「レモンスモーク」といった商品名(簡単なキャッチコピー)としてラベルに記載しているところです。そして今年2015年、長年の計画がようやく実現し、蒸留所の創設を迎えました。場所はエジンバラから北西のローランド地区にあり、あの有名なセンドアンドリューズゴルフコースの近くです。
 キングスバーンズ蒸留所のモルトが目指しているのは、ずばりクリア&フルーティなローランドスタイル。大麦は地元で栽培されているコンチェルト種を使用し、水源ももちろん蒸留所から100メートルほど離れたところにある地下水を直接蒸留所まで引いて使用しています。クリアでフルーティなスタイルのモルトを創り上げるため、発酵工程や蒸留の工程を通常より時間をかけて行うという独自の方法で仕込みを続けています。